きすはぐあまこい
静かに扉は閉められて、ここは美術室という1つの空間になった。
…そうだ、沢木くん。
わたしはドキドキしながらも夕日から目を外して、美術室を見渡した。
あ、れ?
「いない…」
そこには沢木くんの姿はなかった。
でも、国原はいるって言ってたし…。
もしかしたら準備室にいるのかも…と思ったわたしは、準備室のドアノブに手を掛けたけどそこは鍵がかかっていた。
しょうがないので、美術室を巡回してみることにする。
机と机の間の通路を通り奥の方へ進む足。
やがて、その道が終わった時―…
「…いた」