きすはぐあまこい
そしたら、ぎゅっと
「ねえ、蓮田さん」
ドクンッ
身体中の血が逆流したような錯覚に陥った。
「……な、何?」
いつもなら嬉しいハズなのに、今日はその声に悪い意味で緊張している自分がいる。
まるで悪戯をした子どもが先生に呼び出された時のような気分。
実際わたしがしたのはそんな悪戯心なんかからじゃなくて、必死の行動だったけれど。
「…今日の昼休み、美術室に来てほしいんだ。話したい事がある。お弁当持ってきて」
本当にいつもなら、花でも散らせて飛び跳ねたい気分だった。
「…一人じゃないとダメ?」
「うん」
最悪だ。
絶対"あの事"だ―…。