きすはぐあまこい
昨日はいっそのこと、沢木くんに見つかってしまえばいいって思ってた。
沢木くんが眠っていなければ―…って思ってた。
だけど、いざこうなってしまうとわけが違う。
わたしがキスしたことを沢木くんはどう思っているのかな。
やっぱり1対1ってことは―…
『お前みたいなブスとキスなんかしたくねぇ』
『汚ねぇ涙垂らしてくんじゃねぇよ』
到底、沢木くんがそんな言葉遣いするとは思えない。
だけど、わたしの妄想は悪い方へ進むばかり。
頭の中にいる沢木くんが、わたしの言われたくないと思った言葉を吐き出す。
嫌だ、苦しい―…。
ずっとこんな想いで昼休みまでを待つなんて、わたしは果たして耐え抜くことが出来るのだろうか。