きすはぐあまこい
もう、どうしようもない。
この症状に何も手を打つことが出来ないまま、わたしは死ぬのかも知れない。
胸が苦しくて仕方ない。
本当に好きで、好きで、す、き―…
ガラッ
その音に頭を抱えたまま、わたしは顔を上げた。
「はぁっはぁっ……」
え、
「…みつけたっ」
そう言って、乱れた髪に片手で乱雑に手櫛をかけた人物に、わたしは身動き一つ出来なかった。
だって、こんなことがあってもいいの。
純粋な彼の瞳と、もう片方の人工的な灰色のそれ。
それらが二つとも、"わたし"しか映していないなんて。