きすはぐあまこい
「…あっ…、た、かい?」
そうだ。
"温かい"んだ。
「うん。あったかい」
果たして夢の中で、こんなにリアルに感覚があっていいものなのかな。
「……沢木くん、」
「ん?」
声と共に少し息が漏れる。
「わたし…わたしね、沢木くんのことが好きなの。ともだちの好きじゃないよ」
何でだろう。
不思議とすらすらと言葉が続けられた。
魔法にかけられたみたい。
やっぱり心のどこかは夢心地でいるから?
だとしたら、夢ってちょっぴり怖い。
そんなことを考えていると、沢木くんがふふっと笑みを漏らした。