きすはぐあまこい

しばらくそうしている内に幸せで満たされていく身体は、やっと涙を製造するのをやめた。


泣くって結構体力を消費する。

ぐたっと気だるい身体を沢木くんはずっと抱きしめていてくれた。




ふと、沢木くんは何か思いだしたように言った。



「…そういえば、国原からの指令忘れてた」

「へ?」


何故に国原?このタイミングで??

しかも指令って何よ?

まさか!


「あいつ、また余計なこと言ったの!?」

一体沢木くんに何を吹きこんだ!?


必死に頭を巡らしてると、沢木くんが『ねえ、』と呼びかける。

あ、やばい。沢木くんの前で眉間に皺寄せちゃったよ。



皺をどうにかして、沢木くんに目を向けると、今度は彼がさっきのわたしと同様、眉間に皺を寄せてた。
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