未来からのおくりもの(仮)
キーーーン……
「……っ」
あ、まただ。
今日何度目かの耳鳴り。
今朝家を出る前はなんでもなかったのに、通学途中から数回耳鳴りがしていた。
それもだんだんと強くなってるようで、思わず指で耳に触れた。
なんだろ…これ。
「……ねぇ、聞いてる? …って千聖 どうしたの?」
「え?」
「耳痛いの?」
首を傾げながら沙希が心配そうに顔を覗き込んでくる。
「ううん、ちょっと耳鳴りがしただけ」
「えー? 大丈夫? 休み中遊び過ぎて疲れきた?」
「ふ、沙希じゃないんだから。 どうせ連日夜も遊び歩いてたんでしょ?」
「ぜーんぜんだよ! 最近親が厳しくて〜この間も…」
ぶつくさと愚痴始めた沙希の話を聞こうとするけれど、また聞こえてくる耳鳴りでうまく聞き取れない。
キーーンという高い周波数の超音波のような音。
なにこれ、ホントにただの耳鳴り…?