未来からのおくりもの(仮)
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目を開けると真っ白い天井が目に飛び込んできた。
薬品の匂いが鼻をつき、ノリが効いた硬い肌さわりの布団でもうここが何処かはわかる。
ということは、
あたしは倒れた…の?
ベッドに肘をついて起き上がったあたしは、もう今は聞こえない奇怪な耳鳴りにホッと肩を撫で下ろした。
「やっと気付いたか」
ギシッという丸椅子の軋む音に振り返ると、知らない男の子が迷惑そうな顔を向けながら読んでいたであろう雑誌をパタンと閉じた。
「ったく、ずっとこのままだったらどうしようかと思ったぜ」
チッと舌打ちをして立ち上がる男の子。
もしかしてあたしを保健室まで運んで来てくれたのだろうか? かなり感じ悪いけれど。
「あの、ご迷惑…おかけしました」
ボソッと呟くと、切れ長の目を細めて鋭い目つきで睨まれた。
怖っ…
「あーマジ迷惑。 養教はいねーしお前は目覚まさねぇし、もう少しで救急車呼ぶとこだったわ」
「……すみません」
そう言われてもあたしには謝る事しかできない。 俯いて頭を下げると、盛大な溜め息が降ってきた。
っていうか、何でこの人こんなに怖いの?
だったら放っといてくれればいいのに。
そう思ったけど、そんな事は言えない。
一応、あたしを運んで目が覚めるまでここにいてくれたのだから。