未来からのおくりもの(仮)



「名前は?」



イラっとした面持ちであたしから手を離し、偉そうに見下げるこの男。

なんだコイツ。

自分から名乗れよ、ってね。


だけど怒らせたら本当に怖そうだ。


早く答えろ、と言わんばかりの表情は脅迫でもされているかのように感じる。また端整な顔立ちだからか、更に迫力あるんだこれが。




「仁科…だけど」


「仁科、何?」



両腕を胸で組んで首を傾ける傲慢な態度に思わず顔が引き攣った。


だから! 何で偉そうなんだコイツ!!



「千聖」


「………知らねえな」



あっそう!!

あたしもあんたなんか知らないし!?


とんだ自己紹介だな!これ!



< 7 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop