未来からのおくりもの(仮)
「名前は?」
イラっとした面持ちであたしから手を離し、偉そうに見下げるこの男。
なんだコイツ。
自分から名乗れよ、ってね。
だけど怒らせたら本当に怖そうだ。
早く答えろ、と言わんばかりの表情は脅迫でもされているかのように感じる。また端整な顔立ちだからか、更に迫力あるんだこれが。
「仁科…だけど」
「仁科、何?」
両腕を胸で組んで首を傾ける傲慢な態度に思わず顔が引き攣った。
だから! 何で偉そうなんだコイツ!!
「千聖」
「………知らねえな」
あっそう!!
あたしもあんたなんか知らないし!?
とんだ自己紹介だな!これ!