ア オ ハ ル
「いたた…」
顔をあげるとぶつかった相手の顔がすぐそばにあってあたしは支えられるように倒れていた。
「あぁ!すすすすすみません!」
飛び跳ねるように起き上がって少し離れて頭を下げた。
「ふっ……」
あれ?あたし今、笑われた?
ゆっくりと顔をあげると彼は体を起こして笑っていた。
あたしはポカンとして彼を見ていると
「いや、 そんなに謝らなくてもなって」
そんな可笑しかった?
って、そ、れ、よ、り!
「あーえっとー…大丈夫でしたか?」
彼は、ん?っと首を傾げて周りをキョロキョロ。
周りには彼のバッグの中身が散らばっていた。
「あぁ…大丈夫。そっちこそ怪我しなかった?」
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