桜舞い散る夢綴り
どうやら黒尽くし野郎が俺の事を土方に言われて調べた所、何も出てこなかったらしくそれはおかしいと言う事になり、俺を呼んだらしい。
「もう一度聞く、お前は一体何者だ。」
「沖田総司に無理矢理連れてこられた一般人です。」
「そうじゃねえ!!」
「じゃあ、人間。」
簡単かつ簡潔に説明したと言うのに。
土方はこめかみに青筋が見えるし、黒尽くし野郎はこれでもかと言うほどに俺を睨んでいる。
「………気配に敏感なのはただの癖だし、俺は普通の人より胴体視力と耳がいいだけだ。
………それに、そのくらい気配に敏感にならないと、死ぬような環境の中にいたしな。」
正直に話しても別に構わない程度に返答はしておく。
スパーーーーーンッ!!
土方が口を開こうとした途端に、部屋の襖が勢いよく開いた。
「土方さん!風宮さんは僕の隊にください!!」
沖田さんが黒い笑顔でそこに立っていた。
俺は、爆発寸前の鬼と黒尽くし野郎とその原因を置いて一目散にその部屋から逃げる。
後ろから呼び止める声と土方の怒鳴り声が聞こえたが、今は無視しておく。