断髪式
考える間もなく。
言ってしまってから、ガーッって体ん中が熱くなった。
何してんだ自分。
単細胞にもほどがあるだろ、思ったことそのまま口に出すとか。馬鹿か。
折原は、絶対困った顔をすると思った。
もういつ折原の眉毛が下がるかって覚悟して、俺は明日ぜってー学校サボって寝込むって、そこまで考えていて。
でも折原は、俺をじっと見て。
俺がずっと大好きで仕方なかった瞳をゆるめて、笑ったんだ。
「…お願いします」