sleepy princess and arouse prince
「厄介な病気‥ですね。王妃の考えが見え見えですよ」
ポチャン、と最後の一滴まで外部に黒い液体を出した。
すると、むくっと二人は起き上がり、辺りを見回す。
頬の入れ墨が薄くなっていた。
「カイトって医療術も使えるんだな。」
俺は断定したような口調でカイトに言った。
医療関係は俺の方が分かっていたつもりだった。なのに、カイトは何もかも出来た。
だが、この二人を生かす理由は一体何だろうか。
すると、カイトは俺の言葉を聞く耳も持たないでぐったりと倒れ込んだ。
慌ててエルビスが駆け寄った。
「…これで二人の魔力はありません。もう戦う必要などなくなる」
「なに言ってんだよ、おっさん!!」
まるで遺言のように呟き、彼は瞳を閉じた。
エルビスは懸命に声を掛けるが目覚める気配はない。
「エ、エルビス。カイトは寝ているだけだよ」
「嘘!?ややこしんだよ!」
と、逆ギレされたが、カイトは寝息を立てて眠っていた。
とりあえずこの場で休めばいい、そう思った。
だが、ラサレナは首を振る。
「此処は魔女の森の中。ぐずぐずしていると魔物に襲われる可能性が高いよ」
この状態で襲われると大変だ。
俺達は出口を目指した。