sleepy princess and arouse prince

「ん‥ラサレナ、アルルシスお帰り」

「あ、ごめんね。起こしちゃって」

いつの間にか眠ていた。
ドアが開く物音で目が覚めて、どうやらアルルシスとラサレナが戻ってきたようだ。
辺りを見渡すと、ジキル、ハイド、エルビスは同じように眠っていた。

俺は彼女に大丈夫、と告げ起き上がり、とりあえず片づけでもしようとした。
すると、

「これってカイトの手袋だよね?」

「そうじゃん?ってか、はめてたんじゃないの?」

ふと、カイトの手を見た。

「!?」

三人でカイトの手の甲を直視した。
なんと前まではなかった黒い紋章がが、手の甲に刻まれていたのだ。
アルルシスは慌てて回復魔術を使うがバチン、と魔術が弾かれてしまう。
これはジキルとハイドを治した時に関係しているのだろうか。

「‥双子は関係ありませんよ」

「か、カイト!?」

ぼそっとカイトは呟いた。
俺たちは驚きのあまり後ろに下がる。
まさか起きていたとは‥。
むくっとカイトはベットから起き上がり、俺から手袋を奪う。

「これは貴方には秘密です」

そう言って手袋をはめた。

人が心配したのにその態度、一体どういうつもりだよ。
俺はうだうだ文句を言い続けた。

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