sleepy princess and arouse prince
黒桜はすっと攻撃をやめ、サジタウリスの方へ移動した。
俺は口の中の血を吐き出し、エルビスの所へ歩いた。
「大丈夫なの?顔に傷を作って‥」
「平気だよ、けどあの日本人は強い」
「‥見れば分かるわよ」
アルルシスは顔の傷を治癒で応急処置してくれた。
とても体を震わせ、処置し終わるとラサレナの元へ行ってしまった。
すると、エルビスが
「白梅、使えるよな?」
「解らない。ただ行ける気がする」
「白雪姫を助けるんだろ?そうでなきゃな」
俺は静かに頷き、戸惑いを感じながら柄に触れた。
「どうして、どうして‥」
「大人しくしなさい、白雪」
「どうして、お母様を殺したの?」
あの頃のお父様は違う。
そう、お母様を殺したあの日から。
私はひたすら涙を流した。
「お母様あ!」
私が3歳の時、父は私の目の前で母を刺した。
赤い血が白い服を染めていく。
物心つく時期、埋葬の瞬間、
今でも覚えている。
1週間が経過しても私の心は晴れなかった。
しかし、
早くもお父様は新しい女性を見つけた。
新しい王妃、新しい母親、
城中は騒がしい。
その女性の左手には、私より幼い女の子の姿があった。