sleepy princess and arouse prince

その子がアルルシス、
お父様と同じ黄緑色の髪。
私は何もかも、
真剣に受け止められず逃げていた。

「その後、アルルの母親を殺して、今の王妃になった。
私はそんな貴方が、大嫌いです」

「‥白雪」

私はお父様を避け、つかさず走り出した。
少しだけ悲しい顔をしたお父様が目に写った。

「国王様、追いますか?」

「ああ、頼む。キャンサー」




「サジタウリス、双子に魔術使われたら‥」

「姉さん、怖いのですか?」

「そうじゃないわよ。あんたが心配だわ」

黒桜は冷や冷やとサジタウリスに呟いた。
まだジキルやハイドのように、強力な魔力を持つ者が居るとは。
俺はザッと一歩前へ進んだ。

「エルビス、行こう!」

「勿論だ。」

エルビスは足が速く、素早く黒桜の裏に回った。
俺はその隙に正面へ向かって、光の刃の白梅を振った。
しかし、
黒桜は素手で受け止め、エルビスと俺を片足で蹴り上げた。

ドサッ、

「痛、大丈夫か?エルビス!?」

「引っ掛かりましたねえ」

飛ばされた先には、緑色に輝く魔法陣の真上だった。
しまった!
慌ててその場から動こうと試みたが、体は張り付くように身動き出来ない。

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