sleepy princess and arouse prince

彼女は微笑む。
右手でパチンと合図した。
しかし、
いくら指を鳴らしても魔法は起動しない。
一体、何が起きたのだろうか。

「この程度の魔術で、勝った気になるなよ」

「‥ハイド!」

スーッと音も立てず、サジタウリスの背後にリング・コールで出した銃を突きつけていた。
カイトはそれを微笑みながら見つめる。

「お前の過去、見せてもらうぜ?Sad drop」

ハイドは銃の引き金を引いた。
弾の当たったサジタウリス、魔術を使ったハイドは動きを止める。

「今の内だ!エルビス!!」

「ああ!」

俺はエルビスと共に黒桜に向かって走った。
しかし、彼女は軽々と交わしていく。
甘い、黒桜は呟き足で攻撃する。

「甘くないって、痛みを味わえ!」

「ぐっ!!」

俺は一振り、黒桜に向かって振った。
見事、足元に命中して攻撃を止めることが出来た。
静まる空間、エルビスは一歩退いた。
‥仕方がない。

「楽しみですね、リュウの復活です」

「今の状況で言うな」

カイトは笑みを浮かべ、ラサレナは突っ込みを入れる。
なんて平和な奴らだ。
俺はリュウの一対一を見守る。
言葉で言わなくとも分かるんだ。

< 113 / 117 >

この作品をシェア

pagetop