sleepy princess and arouse prince
黒桜は声を出して驚いた。
勿論、俺もそうだ。
リュウは辻車を避けず、そのまま白梅で突いた。
辻車は回転を止め、黒桜は体勢を元に戻す。
「当たったみたいだな。意外にイケるんだ」
「リュウ!一歩間違えてたら‥」
「大丈夫だって。心配しなくていい」
リュウは開き直ったように呟く。
まるで俺が心配したのが馬鹿馬鹿しい、かのように聞こえる。
その上、大丈夫とか。俺は思わずリュウの前に飛び出した。
目の前には黒桜の姿が。
「エルビス!」
「サジタウリス、お前‥」
「誰だって知られたくない事はある。君もそうだろう?」
俺はサジタウリスにSad dropを唱えた。
それからは俺と彼女にしか分からない魔法。
まずそれが問題だ。何故なら‥
「私は父様から虐待を受けていた。
全てが苦痛、それで父様をこの手で殺した。」
「父様って、リーアム大佐!?」
「そうだよ。王妃隊と対立関係のジャッジメントの最高権力者、それがリーアムの正体」
サジタウリスは体を震えさせながら尽く話す。
リーアム大佐は俺でも分かる。特に王妃隊の人間はな。
すると、サジタウリスはいきなり服のボタンを外し始めた。
「な、何してんだよ!?」