sleepy princess and arouse prince
ガチャン、
手を引いた瞬間、後ろから鉄がぶつかり合う音がした。
振り返れば、無数の兵士の姿が。
「ネズミの分際で、王宮になんの用だ?」
その軍隊の真ん中に立つ青年が、銃を構えて問いかける。
耳が鋭く、金色の長髪で一つに結わいた白い肌。
俺はマズい、と感じ兵士たちの隙間を走って通り抜けた。
「ちっ‥、早く追え!」
案外、簡単に出来るものだ。
素早く態勢を整え、兵士たちから逃れる。
彼らが追い掛けてくる度、鉄がぶつかり合う音を奏でる。
捕まる前に此処を出よう。
俺は細い道を通った。
「あの野郎、絶対に捕まえてやる」
ドキドキと鼓動が収まらない。
汗も酷く流れる。
すると、目の前には豪華な倉庫のような場所に辿り着いた。