sleepy princess and arouse prince
白梅を片手に、倉庫を後にした。
あの金髪の兵士、案外良い人だったかもしれない。
俺は、城の周りを彷徨いて数分後、あの森の出入りを見つけた。
此処から白雪姫は連れ出されたんだな。
だが、一歩森へ入ると辺りの雰囲気は一転し、不気味なオーラが漂っていた。
警戒心を持ちつつ、更に奥へ奥へ進めば、城は遠ざかった。
結構、歩いたな。と感じるとあの小屋を見つけ出した。
すると、
「キャアアア!」
女性の悲鳴が聞こえた。
それも小屋の方からだ。
慌てて小屋に近付くと、そこには、一つの林檎を片手に倒れていた白雪姫だった。
「白雪姫‥!」
思わず彼女の名前を呼ぶ。
すると、悲鳴を聞いた子人たちが近付いてきた。
「白雪姫?白雪姫!」
「貴方は白雪姫に何をしたの?」
子人たちは完全に俺を疑っている。
俺は事情を説明して、逆に話を問った。
「あ、白梅だ!君になら信頼出来るね」
「白梅?あんたたちも知っているのか?」
「当たり前だよ!なんたって白梅は各国の国宝なんだ」
子人たちはニコニコと笑顔で告げた。
俺はあまりにも驚いて、言葉に出来ない。
金髪の兵士は、大事な大事な国宝を俺にくれてしまったのだから。
「とりあえず白雪姫を安静な場所へ!」
「それなら任せて」