sleepy princess and arouse prince
ハッと我に返り、白雪姫を安静な場所へと移動した。
そこは入ろうとした小屋。
中はとても広く、外見と大違いだ。
子人たちは床に白雪姫を寝かせる。
「何故、白雪姫は倒れたんだ?」
「白雪姫は優しい心の持ち主、老婆に水をあげて‥」
「老婆?」
「魔女のような鼻で、腰が曲がった老婆だったよ」
子人たちは悲しみを耐えながら話す。
老婆、それはきっと変装をした王妃のことだろう。
俺は無言のまま、白雪姫の肌に触れた。
冷たい、まるで人形だ。
子人たちに頼んで、毛布や暖房を使い、彼女の体を温めた。
「あの、白雪姫は‥?」
「彼女は食中毒だ。近くに、薬はないか?」
「薬はないけど、薬草ならあるよ!」
子人はそう言って外へ出て行った。
林檎に猛毒が注入されていた筈だ。
俺は白雪姫から離れ、一口かじった後の林檎を調べた。
この林檎、
色が赤く熟していなかった。