sleepy princess and arouse prince
引き抜くと刃から輝きが放つ。
錆ひとつなく、白梅と刃に彫ってあった。

「確認しました。でばこちらへどうぞ。」

執事はさっきの大きな扉の所まで送っていき、俺一人で中に入った。

「あんた、入んないのか?」

「えぇ。入らないんじゃなく、入れないんです。」

王族のお手伝い役として私だけがこの扉の先には行けなのです。なんて執事は言って扉を閉めた。
要するに何か訳があるのだろう。
そんなこと、俺には関係ないが‥せめて案内してくれる奴が付いてきてほしいものだ。

それより一番目に付いたことがひとつある。
この扉の向こう側はまるで別世界だった。
神殿のような通り、周りに咲き誇る花々。
俺は戸惑いを隠せなかった。

「おい」

後ろから呼ばれて振り返った。
そこにはあのエルフがいた。
反射的に白梅の杖を握る。
だが、エルフは銃も剣も手に取ろうとしなかった。

「‥俺、急いでるから。」

そうさ。俺は一刻も早くエルビスと合流しなければならない。
後、白雪も気になるし。
すると、エルフは立ち去ろうとした俺を引き止めた。
右肩に強い力が掛かる。待てと。

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