sleepy princess and arouse prince



水に沈むような感触。
早くしないと息が続かないで溺れてしまう。
手を伸ばしても触れた気がしない。
此処はどこなんだ?
視界は開けることが出来ない。
不安で胸が一杯だ。
お願いだから開いてくれ‥

「‥暴れないで下さい。」

いきなり耳に入ってきた声。
カイトだ。そのことと同時に光が目に入った。

「あの‥水冷たくありませんか?」

「水‥?」

カイトは僕の肩を支えて、尋ねた。
横を見ると透明で透き通った泉があった。
辺りを確認すべくカイトから離れ、自力で歩いた。

髪は濡れていて制服も濡れていた。
何故かその泉の中に入っていて、カイトは赤い長髪がびしょびしょだった。

それよりエルビスは?
俺はエルビスの姿がないことに気付き、泉から上がろうとした。
だが、カイトはそれを許さない。

「は、離してくれ!」

「今は行くべきではない。理解して下さい。」

「エルビスが居ないんだぞ!?」

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