sleepy princess and arouse prince
すると、エルビスがアルルシスの肩をいきなり強く握った。
骨が軋む音。彼女は悲鳴を上げる。
俺は反射的に止めようとしたが、するよしもなかった。

「だからって人々を殺して良いのか?なぁ?」

「あ、あんたには関係‥いっ!!」

「こんなボロボロのくせに‥。よく我慢したな、アルルシス。」

目を離したい。むしろこの場を逃げたい。
エルビスがとった行動は、アルルシスを抱き締めたのだ。
突然の出来事に彼女が唖然とする。
一体どうしたらこうなるのか不明だ。

俺はそんな二人をほっといて、楽になった足で白梅を拾いに行った。
すると、エルビスの胸の中でアルルシスが口を開いた。

「実はさ‥幻覚なのよ、これ。」

「はい?」

なんだと!?
ここまでシリアスにきといてこのオチ。
アルルシスの合図と共に吊らされている人々は消えた。
エルビスと俺は顔を見合わせ、呆れた。

「アルルシスお前なぁ~‥。」

「白梅の二人が見破れないなんて意外だわ。‥じゃ、私行くね。」

と、アルルシスはにこっと笑みを浮かべ一歩踏み出した。
しかし、また予想のつかないことを言い出したのはエルビスだった。

「アルルシス。一緒に来ないか?」

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