sleepy princess and arouse prince
エルビスは少し照れくさそう引き止めた。
唖然する俺と彼女。
いや、仮に攻撃もされたのに彼の言っていることが可笑しい。
‥頭を抱えたくなってきた。

だが、彼女的には嬉しかった。
白雪姫を助けたいし、王様こと父に言いたいことが。
アルルシスはそれを胸に秘めて彼にもう一度確かめる。
無論、良い。勝手にエルビスの心で決まっていた。
俺も別に嫌じゃない。
白梅のエルビスや普通に力のない俺たちより、蜘蛛師のアルルシスである彼女が居てくれれば安心する。
問い掛けられた時にはあぁ。と呟いて頷いた。

すると、アルルシスが近付いてきて、さっき傷付いた肩に手を翳す。

「…ごめんなさい。私のせいで」

と、小さい声で呟いた。
全く予想がつかないことばかり起こる。
アルルシスの手のひらから紋章が浮かび上がり、傷を癒やす。
ん‥?待てよ。
この紋章‥カイトと同じ模様だ。

俺はアルルシスに礼を言って疑問を胸の奥に閉まった。
どうせカイトも王族に違いない。
休む間もなく、森の中を歩くことにした。

「全く景色が変わらないな。」

「そうね。こんなに広くないはず。」

そう皆が同時に頷いた。
道を塞ぐチカラに。
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