sleepy princess and arouse prince
木々が折れる音と人の悲鳴が鳴り響いた。

「‥か、カイト!?」

その姿はいかにもカイトだった。
見事、アルルシスの糸によって捕まったカイトは照れくさそうに笑った。
エルビスは素早く白梅を抜き、カイトの顔に向けて突き付けた。
恐ろしい殺気を放ちながら。

「また会えましたね。リュウ・ミズミネ」

「どうして?名乗ってないのに。」

「‥私だから分かるんですよ。」

と、エルビスの刃を手で払ってあっさりアルルシスの糸がほどけた。

そして俺に近寄って頬を撫でる。
ぞくぞくっと背筋が伸びる。
良かった、怪我しなくて。とカイトは華のような笑みで言う。
唖然とするだけで済めばいいのだが‥。

「てめぇがどうしていんだよ!!」

「師匠‥!!」

「あぁ、アルルシス。久しぶりですね。」

「無視すんな!!!」

あっという間にエルビスは無視され、アルルシスはカイトに抱きつく。
師匠?彼女は蜘蛛師なはず。
カイトはアルルシスに答えて頭を撫でる。
その時はあの黒い手袋がなかった。
俺は黙ってエルビスを止め、二人を見ていた。

「二人は一体どういう関係なんだ?」

すると、アルルシスは自分の行動を思い出し、顔を染める。
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