sleepy princess and arouse prince
関係についてはカイトから話してくれた。
その間、ずっとエルビスが睨んでいて恐ろしいものだ。

「私は魔導師です。彼女がさっき使った魔法も私が教えたんです。」

「い、いわゆる師弟ってことよ。」

「ふ~ん‥。」

蜘蛛師でもあり魔導師でもある、アルルシス。
よく分かんないような‥でもエルビスは目を点にしていた。

とりあえず、カイトも含め森の奥を歩いた。
なんと、森から抜け出したのだ。
おかしい。な、なんだったんだ?
辺りは柔らかい空気に包まれ、日差しも差し、花々も咲き誇れていた。
やはりカイトの仕業なのか?
考えていると、エルビスが呼んできた。

「リュウ、あれ‥」

エルビスが指差した先にはガラスの棺桶があった。
蓋は見事、薔薇の蔓で縛られていて全く開けることが不可能だ。

俺は白梅を使って蔓を切り始めた。
絶対に白雪姫だ。そう確信した。
ガラスに刃が当たっている音。無意識の内、罅を入れてしまった。
一本の蔓が切れて、ガラスの上の土を手で払った。

「…白雪姫」

そう、まさしく白雪姫だった。
急いでガラスの蓋に刺さる釘を抜いた。
だがびくともしない。
すると、カイトがその釘に向かって手を向ける。
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