sleepy princess and arouse prince
もし、嫌な感が的中したら敵が来る。
白雪を片手にどう戦えば‥

「白雪姫は私が抱えます。来ますよ?」

ひょいっと軽々、白雪を片腕で抱き上げた。
大人なカイトにとって俺はまだまだ子供。
早く背が伸びるといいな。オイ

「白雪姫は目覚めるとまた、格別に美しい。」

「!?」

俺の後ろから声が聞こえた。
距離をとって振り向くとヴェルトが立ち尽くしていた。

「痛っぁ!!!!!」

「よくも我々の邪魔をしてくれたな。痛い思いをさせてやろう。」

「リュウ!!!」

エルビスとアルルシスが呼ぶ声が遠くなる。
ヴェルトの鋭い刃が治したはずの肩を痛めてくた。
それもかなりの激痛が襲ってくる。
思わず口から零れていく叫びが自分で聞いていても苦しい。
自力で白梅の鍔に触れる。

「フ…白梅なんて使うなよ。今、抜いたら大変だぞ?」

「ふ、ふざけんな‥!!」

俺はヴェルトの言葉を無視して白梅の鞘を抜いた。

すると、白雪がぴくっと動き出した。
カイトは暴れたら困る為か白雪を強く抱き締めた。
白梅に反応しているようだ。
エルビスの白梅は鞘から抜いていない。
一体何だというのだ。

「お姉様!!!」

「し、しまった!!リュウ!白梅を収めろ!!」

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