sleepy princess and arouse prince
‥誰も返事しない。
カイトは寝ているかもしれないけど、オイ、エルビス。
白梅を置いた後から人の気配を感じなくなった。
俺はベッドから下りて出口に向かった。
その時、ソファーで昼寝をしているカイトに布を掛けておいた。

「おーい、エルビス?」

ドアを開くと清潔な廊下が姿を現す。
病院っていうからまたレトロかと思ったけど、こっちの方がなんか進んでる。
俺はふらつきながら廊下の先へ歩いた。

が、いくら歩いても彼の姿はなかった。
大声出して何度も看護師に注意されるし、一体どこに行ってしまったのか。
仕方無く自分の病室に戻ろうとした時、彼は姿を現す。

「エルビス‥!!」

俺は声を掛けたが、彼は誰かと話していてある部屋の中に入ってしまった。
思わず反射的に壁に隠れて様子を見る。
部屋の入り口の上には「集中治療室」そう示されていた。

もしかしてあそこに白雪が?
慌てて一歩踏み出すと動きが取れなかった。
恐る恐る後ろを振り向くと‥

「ミズミネさん?安静にしてて下さいね。」

見事、看護師に見つかって部屋に戻された。

部屋に戻ると、カイトは完全に寝ているようだ。
ふと、寝顔を見てみたいと思ってしまった俺。
< 54 / 117 >

この作品をシェア

pagetop