sleepy princess and arouse prince
知らせた時計、真実を映す鏡
森の中は、静かで鳥達の綺麗な声しか聞こえない。
風も光も、体に当たる度、本物そっくりだと分かる。
ここは一体‥、すると、
「国王様は何でこんな命令を‥」
「理由を知ったとしても、許せない行為ですよ」
兵士たちの話声が近付いてくるではないか。
俺は反射的に木の茂みに隠れた。
国王?許せない行為?
兵士たちは立ち止まり、囚人みたいな布を被った人から鎖を外した。
スル、と布は地に落ちる。
そう、俺は目を疑った。
「どうかお逃げ下さい、白雪姫。私たちは貴女の味方です」
「‥有難う」
なんと囚人は、とても美しい女性だった。
棺桶のように黒く長い真っ直ぐな髪。
赤い華のよう美しい紅色の唇。
何より彼女を引き立てたのは、雪のように白い肌だった。
兵士たちからの会話から、彼女の名前は「白雪姫」と言うらしい。