sleepy princess and arouse prince
「クアフェリネとは、これのことです。」
ぐっと白雪の首元に掛かっていたネックレスを掴む。
輝くばかりの光がそのネックレスから溢れている。
これがクアフェリネ…。
形は十字架にそっくりだった。
「どうしてカイトが知ってんだよ。」
「人間、知能が必要ですから。」
と、問いかけたがカイトはまたまた笑顔を咲かす。
まるで人に向かって馬鹿だと言っているようにしか聞こえない。
すると、白雪はクアフェリネを隠すように両手でそっと握った。
「早くクアフェリネをよこせ!!」
「こいつ‥!!」
「止めて、エルビス‥!」
エルビスが男の攻撃を避け、背後にまわった。
貴重な一撃をアルルシスの声で失う。
「彼は不死の風、ラサレナ‥何をしても無駄よ。」
「蜘蛛女に言われる筋合いなんてないし。」
ラサレナは立ち止まるエルビスに攻撃をし、フィルター近くまで燃えた煙草を捨てた。
もしかして、あの煙草が魔術の源ではないのか?
俺は白雪をカイトに預け、白梅でラサレナを襲った。
その攻撃は見事、煙草のケースに突き刺さる。
これでいける、そう思った。
だがしかし、現実は甘くなかったのだ。
「せっかくの煙草が‥ま、いいけど。」