sleepy princess and arouse prince
死の世界の歪み
二人は手を繋ながら同じ言葉を呟く。
私は悪魔、私は死神。
死の世界で待ち構える双子の番人。
俺たちは薄気味悪い森の中を進んだ。
広い場所に出たのはいいものの、厄介な番人が現れた。
「「王妃様の邪魔はさせない」」
二人が放つ言葉には、聞く相手を混乱させるような音が入っていた。
さっきとは別。二人の目の色が変わっている。
一瞬で本気だと確信した。
「餓鬼は引っ込みなよ?」
すると、ラサレナは二人の背後に回り蹴りを一発入れた。
異様な能力の持ち主な双子に、アルルシスをいつまでも触れては困る。
ラサレナはそう読み取ったのだろう。
だが、二人には効かない。
砂埃が立つ中から無傷で居た。
エルビスは素早く白梅を抜き、砂埃へ突っ込んだ。
「哀れな方たち…。普通、突っ込みませんよ。」
「そんなこと言ってる場合か!!早く…!」
俺の隣で呆れた様にカイトは口を開いた。
知っているかのように発言している、少しだけ許せなかった。
なんなんだよ、だったら早く援助しなきゃいけない。
砂埃に向かう俺を彼は止めてくる。
力の隠った掴む手のひら。
恐怖を知らせる。