sleepy princess and arouse prince
「離せ!!カイト!」
抵抗してもカイトは手を緩めない。
早くしなきゃ。もしあの双子が強かったりしたら…
ただ不安が溢れてくる。
すると、
「心配される程弱くないよ、俺は。」
「ラサレナ!?」
アルルシスを抱えて砂埃を撒き散らすラサレナ。
その中には彼とエルビスだけ。
数分間の間で双子はどこに行ったのだろうか?
「伏せろ!!!」
すると、叫び声が聞こえて思いっきり押し倒された。
顔が痛いくらい地面にぶつかって一瞬、気を失いそうになった。
「「王子殺す」」
ぼたぼたと赤い滴が俺の頬を伝う。
血と同じ色の赤い髪が散る。
大きな背が覆い被さっていて、俺は言葉を失った。
カイトは双子が真上に居ることを知っていた。
だからって身を捨てるなんて…。
俺の頭の中は真っ白になっていた。
「貴方に‥死…ら困…る‥」
「カイト…!!」
頬に触れた手が息を止めたように血跡が付いた。
崩れ落ちる彼を支えきれなくて、涙が溢れ出す。
そしてそのまま意識が遠ざかっていった。
「おい!オッサン!!リュウ!!」
「安らかに」「眠りなさい」
「「死の世界で」」