sleepy princess and arouse prince
「「私たちは邪魔者を抹消するための殺人兵器」」
「俺はハイド」
「私はジキル」
と、一旦間を取り名を名乗った。
王妃の家来というか兵器そのもの。
俺はアルルシスにカイトを任せ、立ち上がった。
「…あんた達は何故、俺から大切なものを奪う?」
砕けた剣を片手に淋しげに呟いた。
すると、白梅の鍔が何かに反応し光が刃を象る。
「もう…もう誰も奪わせない!!」
「リュウ!!」
そのまま怒りを込めて双子に向かって走り出した。
ラサレナとエルビスは驚異的な表情を浮かべ、止めようとした。
無意識の内、刃の先がジキルの腕に命中した。
「ジキル!!」
「外したか。次は心臓を狙う‥!!」
狂った機械が暴走したかのように、ジキルとハイドをいたぶる。
刃はジキルの腕から離れ、再び真っ直ぐ突く。
今度こそ停止を。
「リュウ!止めろ!!」
「離せ!!俺が斬るんだ!!!」
いきなり後ろから両手を押さえられ、右手から白梅が落ちる。
ラサレナだった。
俺はどうして止めたのか理解が出来ず、暴れて振り払おうと試みた。
「君がやることじゃんだよ!!」
「ラサレナ‥」
ラサレナは振り払う俺に向かって怒鳴りつけた。
悲しい叫びのように。