荒波は海賊を呼び寄せる
「貴方という人は……。何でもかんでも拾って来ないで下さい。とっ、言ってるでしょ?」

「頼むよ。パルス。ちゃんと世話するから」

睨むパルスに、男は可愛く小首を傾げて見詰めた。

「撃ちますよ?……とにかく。それは、捨ててきて下さい。最後は何時も、私が面倒見てるんですからね?」

「だよね?この間は、オウム、その前は犬でしょ……?」

「猫や魚に山羊……あぁ。後、豚もいたよな?」

男はなおも食い下がり、パルスに頼み込み続ける。

「……んぅ……煩い」

「起きたか♪」

ルーンは、重たそうに瞼を上げ、辺りに視線を向けた。

「……銃……?人殺し−−−っ!!助けて!!」

「貴女に向けてたんじゃないんですが?」

「まぁ……あれだ。とにかく、仕舞え。パルス」

喚くルーンを、鬱陶しそうに見ながらも、銃口は男から外れない。
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