好きだと言えなくて

俺が春乃を抱こうとしたその時・・・

ガチャ・・・

「あっ!ごめ~ん!邪魔しちゃった♪」

そこに見えたのは姉貴の姿。

「な、何だよ姉貴!ノックぐらいしろよな!」

「ちょっと借りたいCDがあったから・・・あ、これこれ!じゃあ、お邪魔虫は退散するわ!もう邪魔しに来ないから♪ごゆっくり~♪」

何だよ!ミー助の次は姉貴かよ!

しばらく続いた沈黙の後、俺から声を掛けた。

「ごめんな・・・春乃・・・」

「ううん・・・」

真っ赤な顔で、首を横に振る春乃。

「これからもずっと一緒だしな・・・焦ることないか!」

そう言って俺は、春乃を抱きしめた。

「うん・・・」

そうだよな・・・
これからゆっくり時間をかければいいさ・・・




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