好きだと言えなくて
俊介side
次の日。
朝、駅まで春乃を迎えに行き、一緒に登校した俺たち。
学校中のやつらがいろいろ言ってたけど、聞こえないふりをしてやった。
春乃は俺のもんだから!
その日は昼から雨が降っていた。
放課後、春乃を教室まで迎えに行き、一緒に玄関に行くと、高橋が傘を忘れて困った顔をしていた。
「これ、使えよ。」
傘を差し出した俺に、
「いいよ。お前が困んだろ?」
と高橋。
「大丈夫だよ。俺にはこれがあるから・・・」
と、春乃の傘を指差すと、春乃も笑顔で頷く。
そんな俺たちに、見せつけやがってと言った高橋は、
「サンキュー!」
と言って、俺の傘を差して走って帰って行った。