好きだと言えなくて

「あの・・・傘、ありがとう。でも、あたしなんかに傘貸してくれたから、制服、濡れちゃってるよ。」

と言って、俺の肩や腕を持っていたタオルで拭く春乃。
春乃に触れられて、俺は顔が熱くなる。

「大丈夫だから・・・///」

その言葉に、真っ赤になった春乃。
2人して真っ赤になったまましばらく黙っていたけど、とりあえず歩こうと俺が言って、駅までひとつの傘で歩いた俺たち。

それが、俺たちが初めて話した日だった。


その後、そのことがきっかけでよく話すようになった俺たち。

「なぁ、俺ら付き合わねぇ?」

そんな俺の言葉で、半年前に付き合い始めたんだ。













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