好きだと言えなくて

「春乃~!ごめんね!待った~?」

次の日、待ち合わせ場所に少し遅れて来た由紀ちゃんの隣には、彼氏の徹くん。

「え~っっ!徹くんいるじゃん!やっぱあたしお邪魔虫だ・・・」

そう言ったあたしに、由紀ちゃんが何やら意味深な笑顔。
その時、徹くんが、

「ごめん、ごめん!俺が由紀に俺らがいること黙っててって言ったんだ。」

ん?俺・・・ら・・・?

その時、徹くんの隣にいた男の子が、あたしの前にきて話しだした。

「俺、徹の友達の澤田直樹。前に由紀ちゃんと一緒にいた春乃ちゃんを見て・・・それから気になってたんだ。で、徹と由紀ちゃんに、春乃ちゃんと一緒に祭りに行けるように頼んだ。ごめんね。」

「あ・・・いや・・・」

なんだか急に恥ずかしくなったあたしがそう言うと、

「今日は一緒に楽しもう!」

と言った澤田くんはあたしの手を引っ張って、どんどん歩いて行く。
気づいたら、由紀ちゃんと徹くんはどこにもいなかった。
< 17 / 105 >

この作品をシェア

pagetop