好きだと言えなくて

「あの!澤田くん!由紀ちゃんたちとはぐれちゃったよ!」

思い切って澤田くんにそう言うと、澤田くんは笑顔でこう言った。

「いいの、いいの!あいつらも2人になりたいだろうし・・・俺たちは俺たちで楽しもうよ!」

その笑顔に、今さら断ることなんて出来なくて・・・
結局、2人で夜店を見て回ることにした。


「春乃ちゃん、何か食べる?」

「春乃ちゃん、金魚すくいしよっか!」

そんな風にあたしを気にかけてくれる澤田くんは、きっととても優しい人なんだろうな・・・
澤田くんと付き合ったら、きっと毎日が楽しいかもね・・・

そう思っていたあたしの目に見えてきたのは・・・

あ・・・俊ちゃん・・・

< 18 / 105 >

この作品をシェア

pagetop