好きだと言えなくて
明らかに嫌がってる春乃。
気づいたら俺は、春乃たちの前に出ていってた。
「おい!」
俺が声を掛けると、なんだよと、イライラした顔のそいつが、春乃を抱きしめた。春乃は離れようと必死にもがいていた。
「なんだよって・・・そいつ、泣いてんじゃん!嫌がってんじゃん!離してやれよ!」
そう言って俺は、そいつから春乃を引き剥がした。
するとそいつは、春乃のことを見つめた後、俺のことを睨みながらその場から去って行った。
そいつの行った方を泣きながら見つめる春乃に、俺は言った。
「お前さぁ、その気もないのに何してんだよ!好きでもないやつと祭りに2人で来るとか・・・浴衣まで着て・・・そんなん、誘ってるようにしか見えねぇっつうの!お前、バカだろ・・・」
すると春乃は、俺のことを睨みながら、
「そんなんじゃないもん!」
と言った。
そして俺の後ろに視線をやった春乃は、
「あたし・・・帰る!」
と言って、俺が呼ぶのも聞かずに、行ってしまったんだ。