好きだと言えなくて

2学期になって、校内は文化祭に向けてウキウキしていた。
あたしのクラスは、大阪出身の担任戸田ぴょんの独断で、お好み焼き屋さんに決まった。

「オラオラ!上から押したらあかん!お好み焼きがぺちゃんこになるやろ~!」

そんな怒号が響く中、あたし達はお好み焼きを焼く練習をしている。

その時、隣のクラスの偵察に行ってたち~ちゃんが、興奮した顔で教室に入ってきた。

「ねぇねぇ!隣のクラス、執事喫茶するらしいよ!」

えっ?!執事喫茶?!

「それってやっぱ、高岸くんがいるからだよね!あたし、絶対行っちゃう~♪」

「高岸の執事相手じゃ、うちのお好み焼き屋さんなんて、絶対勝てないじゃん!」

みんなが口々に言ってると、戸田ぴょんが、

「うるせ~!!お前ら、はよ練習しろ!!」

と怒鳴り散らした。

俊ちゃんの執事かぁ・・・似合うだろうな・・・
あたしも行きたいな・・・
でも・・・彼女も来るんだろうな・・・
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