好きだと言えなくて

「いい?明日は、絶対サボらないでよ!執事喫茶の売り上げは、高岸くんにかかってんだから!」

文化祭を明日に控え、最後に文化祭委員のやつにクギを刺された俺。

はぁ・・・ダルい・・・

マジで明日サボってやろうかと考えながら玄関に行くと、春乃がクラスのやつらと一緒にいた。
春乃は、傘を忘れたらしい女に自分の傘を貸してやっていた。

「みんなも、先に帰ってて~!」

そう言った春乃は、また教室へと走って行ってしまった。

そして俺は、初めて春乃に会った、あの雨の日のことを思い出していた。

やっぱり、春乃だな・・・

春乃の優しさは、俺の心を離さない。
俺は、春乃のこういうところに惹かれたんだ。

春乃・・・俺、やっぱり春乃のことが好きだよ・・・
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