好きだと言えなくて

「どしたん?高岸くんと何かあったの?」

あたしは昨日の出来事を由紀ちゃんに話した。

「そっか・・・あの後そんなことがあったんだね・・・春乃が責任感じるのわかるけど、仕方ないよ。それにしても高岸・・・やっぱりまだ春乃のこと好きなんじゃないの?」

「ううん・・・それはない・・・だって、俊ちゃん、夏祭りの時に女の子と一緒だったし・・・」

「・・・・・・」

「ごめんね由紀ちゃん。もう、あたし大丈夫だから・・・俊ちゃんのことは気になるけど、あたしが心配してメールしたりしたら、彼女に迷惑だもんね・・・」

「だね・・・よし!春乃!今日はとにかく楽しもう!春乃には客寄せしてもらわなきゃなんだし!」

「客寄せって・・・」

「何言ってんの!春乃がにっこり笑顔で立ってるだけで、男どもが寄ってくんだから♪ほら!行くよ!」

そう言って由紀ちゃんは、あたしを引っ張って教室に戻った。

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