好きだと言えなくて
「あ、来た来た!もう、どこ行ってたの~!春乃がいなきゃ、うちのクラスの売り上げ落ちるんだからね!」
文化祭委員の由美ちゃんにそう言われたけど、ホント、わけわかんない。
あたしなんかいなくたって、大丈夫でしょ!
思ってることが顔に出てたのか、由美ちゃんは「もう!」と言って、あたしに1枚のチラシを渡した。
なんと!我がクラスのマドンナ田中春乃ちゃんがあなたをご案内!春乃ちゃんと話すチャンスは今しかない♡
そのチラシには、そんなことが書いてあったんだ。
「何これーっっ!?」
「まぁまぁ、春乃は入り口に立ってるだけでいいんだから!ね!頑張って!」
「やだーっっ!!」
そう言って逃げようとしたあたしを、クラスのみんなが離してくれなくて・・・
結局、あたしは一日中教室の入り口に立たされてたんだ。