好きだと言えなくて

春乃!どこ行った?

メールの内容からして、春乃は勘違いしてる。
そういや夏祭りの時に姉貴が言ってたな・・・姉貴のこと彼女と思ったんじゃないかって・・・
マジかよ・・・マジでそう思ったのかよ・・・
くそっ・・・
俺が好きなのは、春乃だけなのに・・・

春乃を探しながら、俺は、昨日の春乃の顔を思い出していた。
「一緒に帰ろう?」と言ってくれたのに断ってしまった時に、春乃が一瞬見せたあの悲しそうな顔を・・・

春乃・・・違うんだ・・・
春乃・・・どこなんだよ・・・

その時、

「俊ちゃん、助けて・・・」

そんな春乃の声がした気がした。
俺は必死に走った。
そして、その道の先に、泣いて動けなくなってる春乃を見つけたんだ。
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