好きだと言えなくて

「俊ちゃん、お粥食べて薬飲んで。」

「ん・・・春乃が食べさせて・・・」

俊ちゃん・・・俊ちゃんがこんなに甘えてくるなんて、本当に辛いんだね・・・

「熱いから気をつけてね。はい、あ~ん・・・」

普通だったら恥ずかしいけど、今はそんなこと言ってる場合じゃない。
あたしは少しずつ俊ちゃんにお粥を食べさせて、その後薬も飲ませてあげた。

「春乃・・・帰るなよ・・・」

そう言ってあたしの手を握ったまま眠ってしまった俊ちゃん。
今日は由紀ちゃんの家に泊まる予定だったから、由紀ちゃんにメールした。

「ごめんね・・・今日は行けなくなった。でも、由紀ちゃんの家に泊まってることにしておいてほしいの・・・理由はまた学校で話すから・・・ホントにごめんね・・・」

するとすぐに由紀ちゃんから返信があった。

「わかった!いいよ!その代わり、ちゃんと教えてよ~♪じゃあね!」


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