好きだと言えなくて
優しい顔の俊ちゃんを見たら、また涙が流れてきたあたし。
「ごめんね・・・あたしのせいだよね・・・あたしが傘借りちゃったから・・・熱があるのに、探させちゃったから・・・だから・・・こんなだからあたし・・・俊ちゃんに振られちゃうんだよね・・・俊ちゃんに好きになってもらえないんだよね・・・ごめんね・・・俊ちゃん・・・」
そう言った時・・・
えっ・・・・・・?!
目の前にある俊ちゃんの顔。
唇に感じる俊ちゃんの熱。
ウソ・・・あたし・・・俊ちゃんとキスしてる・・・
一瞬のことで、何が何だかわからなかったけど、あたしは俊ちゃんにキスされていた。
目を閉じると、俊ちゃんの唇が震えているのがわかった。
いや・・・あたしの唇が震えているのかも・・・