好きだと言えなくて
2人の時間
春乃side
ニャオン!
きゃっ!!な、何?
あたしと俊ちゃんがキスをしていると、その間に割り込むように、1匹のネコちゃんが飛び込んできた。
「ネ、ネコちゃん?」
「ミー助!!」
俊ちゃんにミー助と呼ばれたそのネコちゃんを見ると、特徴のあるブチの模様に、何だか見たことあるネコちゃんのような気がした。
「あ・・・あの時のネコちゃんだ~!どうして俊ちゃんの家にいるの?」
ネコちゃんに向かってそう言ったあたしに、俊ちゃんがボソッと言った。
「俺が連れて帰ったんだ。」
そう言って、ネコちゃんを部屋から追いやって、クローゼットから出してきた傘を差し出した俊ちゃん。
えっ?!これ、あたしの傘だよね・・・俊ちゃん・・・あの時のこと知ってるの?