好きだと言えなくて

「春乃がミー助に傘を差してあげてたのを見て、俺、春乃のことが好きになったんだ。」

「えっ?!あれって、中学生の時だよね・・・?」

「あぁ・・・春乃のこと何もわからなかったから、あれから毎日あの場所を通ってたんだけど・・・会えなかった。」

「あ、あの時は用があって、たまたま通ったから・・・」

「だから、入学式の日に春乃を見た時は嬉しかった。運命だって思った。絶対春乃と付き合いたいって思ったんだ。」

「えっ?入学式の日?」

「そうだよ・・・」

そう言ってあたしを抱きしめる俊ちゃん。

「入学式の前に、桜の下にいる春乃を見た。桜を見上げていた笑顔を見て、また好きになったんだ。」

俊ちゃん・・・そんなに前からあたしのことを見つけてくれてたんだね・・・


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